代表プロフィール
学習マネジメントコンサルタント
木山 耕輔(きやま こうすけ)
1980年代鳥取県生まれ
高校時代、非効率的で根性論ばかりの学校や学習塾に疑問を抱きながら受験勉強を行い、地方の国立大学に現役合格する。
大学および大学院卒業後は大手電機メーカーに就職し、製品開発の業務に着手するが、製品開発において徹底的に洗練され、効率化されたプロジェクトマネジメント手法に衝撃を受ける。
会社の業務を通して更なるマネジメント手法を学び、製品開発に限らず、何かを作り上げる上で最も重要なものは”マネジメント能力”であるということを痛感するが、同時に学生の頃の自分がマネジメントの重要性を全く理解していなかったこと、現在のほとんどの学校や学習塾ではマネジメントを教えていないということに気づき、プロジェクトマネジメント手法を受験勉強に応用した学習マネジメントを考案する。
現在は、勉強ではなく勉強のマネジメントを中心に教える「学習マネジメント塾」を主宰している。
こんにちは、学習マネジメント塾代表の木山耕輔と申します。
このたびはホームページをご覧頂きまして、ありがとうございます。
ここでは、学習マネジメント塾を開くにあたっての私のプロフィールを公開しています。
原点となった父との思い出
私が学習におけるマネジメントの重要性について、最初に実感したのは小学生の頃です。私の父は結構な教育パパだったのですが、ある日父は私に一枚の算数のプリントを渡し、「これを解け」と言いました。父は怒ると恐いところがあったので、私は素直に父に渡されたプリントを解き、解き終わったプリントを父に渡しました。父はそれを採点したり解説したりする訳でもなく、ただ受け取るだけでした。
そしてその翌日、父はまた別の算数のプリントを渡してきました。私はまた素直にそれを解いて父に渡しました。その翌日もそのまた翌日も父は私に算数のプリントを渡し、私はそれを解く、ということを毎日続けました。
ある日、6年生だった私の小学校で模試があったのですが、その時に私の通う小学校では私一人だけが算数で満点を取りました。
小学校レベルの勉強とは言え、学校で唯一の満点を取ることが出来たことは私にとって大きな自信になりましたが、考えてみれば、父はただプリントを渡すだけで、勉強を教えてくれた訳ではありませんでした。父が私に提供してくれたのは、丁寧な解説や指導ではなく、勉強を継続するための”仕組み”でした。
しかし、父が渡すプリントを解き続けるというだけの勉強によって、どんな優秀な先生の授業を聞くよりも成果を実感することができました。私はその体験から、子供心に勉強においては”分かり易く勉強を教えてくれる先生”よりも”仕組み化”の方がずっと重要なのではないか、と考えたものです。
ある上司との出会い
教育熱心な父のおかげもあり、数学が得意だった私は地方の国立大学に進学し、大学院を経てある大手電機メーカーに就職しました。一流と呼ばれる会社には、やはり多くの優秀な人が居ましたが、その中でも私が新人の時の直属の上司は凄まじく切れる人でした(この人を仮にAさんとします)。
ある日、新人の私は、ちょっとしたミスをしてしまいまい、Aさんに呼び出されました。私は叱られると思い、ビクビクしていたのですが、その時にAさんが言ったことは「今回の君のミスの原因を分析しなさい。そしてその再発防止策を私に提示しなさい。」とそれだけでした。どれだけ叱られるのだろうかと思っていた私は、たったそれだけで終わったことに拍子抜けしたものです。
しかし、Aさんの指示通り、自分のミスの原因についてじっくり考えてみると、自分の仕事のやり方のダメな部分に気付くことができたのです。そして、それに気付いたからこそ、仕事のやり方を改善し、同様のミスを防ぐことができるようになりました。
今から考えてみると、Aさんは”人”に対しても”製品”と同様に考えていたように思います。
- 製品に不具合がある場合は、設計や製造工程に不具合を起こす原因が潜んでいるはずなので、それを分析し、対策を打てば良い
- 人がミスをした場合も必ず原因があるはずなので、その原因を分析し、ミスが起こらないような仕事のやり方を身に付けたり、ミスを防ぐ仕組みを作れば良い
このような考え方は一見冷たいように見えるかもしれませんが、部下の立場からすれば自分が抱える問題を解決するまでの具体的な方策を示してもらえるのですから、怒鳴りつけられたり、長々と説教をされた挙句「もっと気をつけろ!」とか「緊張感を持って仕事をしろ!」などと何の具体性も無い言葉をぶつけられて終わるよりもはるかにありがたいです。
人の道に外れるような悪事をした場合は叱責することも必要ですが、単純なミスなどであれば、教育においても”原因を分析し、対策を打つ”というマネジメントの基本を徹底的に行うことが何よりも重要だということを私はAさんから学んだのです。
Aさんは”原因を分析し、対策を打つ”というマネジメントの基本を誰よりも徹底して行っていました。だからこそ、Aさんは誰よりも成果を出していましたし、周囲からの信頼も厚かったです。
余談ですが、Aさんはその後出世し、私が所属していた部門を統括する立場になっています。
製品開発における監査業務
Aさんのもとで、私が行っていた業務は主に製品開発におけるプロジェクトの監査でした(監査とは開発の”過程”のチェックです)。私はこれまで幾つかのプロジェクトの監査を担当し、周囲と協力しながらそれらのプロジェクトを成功に導いてきました。
私が最初に監査業務に携わった時に、非常に驚いたことがあります。それは、”技術を熟知していなくても、監査はできる”ということです。製品開発での監査は技術的な開発プロセスもチェックしますので、そのチェックを行うためには監査担当者は誰よりも技術的なことを熟知しているはず、と私は考えていたのですが、必ずしもそうではありませんでした。
誤解しないで頂きたいのですが、監査は全く無知でもできるという意味ではありません。確かに技術的な知識を持っているに越したことはありませんが、製品の設計をする技術者に必要な能力と監査担当者に必要な能力は異なっているということです。
監査の際にチェックしていたのは以下のような事柄でした。
- 開発の計画は作成されているか?
- 進捗確認は行われているか?
- 製品に必要な要件が設計に落とし込まれているか?その繋がりは確認できるか?
- 必要なテストが全て実施されているか?
- テストで発見した不具合に対応できるように設計が見直されているか?
- 設計仕様書やテスト仕様書は第三者のチェックを受けているか?その記録はあるか?
上記のことは、技術的なことを必ずしも熟知していなくても、記録がきちんと残されており、開発のルールや確認基準が整備されていれば、それらを把握している監査員であればOKかNGかを客観的に判断し、必要に応じて是正の指摘を行うことが可能になります。言い換えれば、ルールや基準を整備し、記録をきちんと残すことを徹底すれば、技術的な知識に頼らずとも、一定以上の成果を生み出せる”優れた開発プロセス”を構築することができるということです。
この経験から私は学習においても、学習を行う上で押えておくべきポイントや守るべきルールを整備し、学習記録を残すことを徹底すれば、数学の定理や英文法などの具体的な知識を持つ”優秀な教師”の力に頼らずとも、全ての生徒が一定以上の成績を取れる”優れた学習プロセス”を構築できるのでは?と考えました。
学習マネジメント塾設立
私は大学生の頃、一時期教師になることを目指した時期もありました。ただ、大学では技術的な勉強や研究も好きだったため、結局その道は選ばなかったのですが、教師の仕事にも心残りがあり、”自分が教師だったら、こんなことをこんな風に教えるのだが”ということを常に考えながら過ごしてきました。
そんな中、私は製品開発業務に10年間携わり、徹底的に洗練されたプロジェクトマネジメント手法に触れ続けたことにより、マネジメントの手法を教育に応用することができないかを考え続けてきました。その結果、”学習マネジメント”の手法を考案するに至ったのです。
そして、それらを現在勉強の成果が上がらない学生の皆さんのために役立てたいという気持ちが高まり、この学習マネジメント塾を設立しました。