最近の塾の傾向として、個別指導塾が流行っています。しかし、個別指導の塾には大きな問題点があります。それは一言で言えばコストパフォーマンスが悪いということです。

この様に書くと、いかにも金儲けだけ考えている様に見えるかもしれませんが、ここで言う「コスト」とはお金だけではなく「時間」や「労力」も含みます。「丁寧な個別指導をしている」ということをアピールする塾が多いのは、教育の世界では「生徒一人に対して、多くの労力を使うことが素晴らしい」という考え方があるからでしょう。ですが、私はこの考え方は幻想だと思います。

大事なのは「より多くの労力を使っていること」ではなく「より高い成果を出していること」のはずです。ビジネスの世界では「成果が同じであればそこにかけるコスト(お金、時間、労力)は少ない方が良い」という考え方が常識です。

「塾は人間が相手なのだから、手間を省いて楽をすることばかり考えないで欲しい」と考える方々もおられるでしょうが、コストパフォーマンスを向上させるということは、「よりラクして成果を得る」ことではありません。「同じ成果をより少ないコストで得ることが出来る」のであれば、「同じだけのコストをかければ、より多くの成果を得ることができる」ということです。

人間が仕事に対して使うことができるお金・時間・労力は有限なものです。その有限の資源を使ってより成果を上げなければならないのですから、コストに対する成果を最大化させることは避けて通れません。つまり、成果を最大化させるためにはコストパフォーマンスを向上させることが必須なのです。

その観点でいえば、「生徒一人に対してより多くの労力を使う」という考え方は成果を最大化させるという目的に対して逆行する考え方だと言えます。

 

個別指導塾は誰が負担を引き受けているのか?

丁寧な個別指導をアピールしている塾に「生徒のために自分を犠牲にして尽くす」というような美しいイメージを持たれる方々も多いでしょうが、私はこれが素晴らしいとは思いません。考えて頂きたいのですが、「より多くの時間と労力を使って指導する」という行為を誰がするのでしょうか?それは多くの場合、塾に雇用された講師達です。そんなことを本当にすれば、塾側は講師に安い給料で長時間労働を強いることになりかねません。つまり、ブラック企業化するということです。

近年学習塾のブラック企業化、ブラックバイト化が問題になっています。個別指導塾の多くは、アルバイトの大学生に講師をさせていますが、彼らにまともに賃金が支払われず、辞めたいのに辞めさせてもらえず、大学での学業に支障をきたすなどの問題が起こっているのです。「丁寧な個別指導」をアピールしている塾全てがブラックだとは言いませんが、そのような問題が起こっている塾が現実にあることは間違いなく事実です。私はそのような塾が素晴らしいとは決して思いません。

対照的な例として、高い実積を出しているある有名な学習塾は「年間70万円ほど頂きます」とホームページに堂々と書いています。これは月謝に換算すると6万円近くなります。月謝6万円はかなり高額ですが、本当に優秀なプロの講師が個別指導をするのであれば高くて当然です。世間知らずの大学生を安いバイト代でこき使いながら「丁寧な個別指導」を謳っている塾よりも、本当に優秀な講師が丁寧に指導する代わりに高額な月謝がかかることをはっきり宣言する塾の方が遥かにまともだと私は思います。

 

コストパフォーマンス重視の学習塾

ビジネスの世界では、成果辺りのコストを最小化させる、つまりコストパフォーマンスを向上させるということに全力で取り組んできた歴史があります。その結果、車や電化製品は優れた製品が手頃な価格で手に入るようになりました。もし車や電化製品のコストパフォーマンスを向上させることを考えず、職人が全て手作りで作っていたら、車一台が数億円はしているはずです。つまり、コストパフォーマンスを向上させることは消費者側にも利益があることなのです。

学習塾においても、塾側が成果当たりにかける時間や労力というコストを最小化させることができれば、同じコストで得られる成果を最大化することができます。つまり、生徒は最大限の成果を得ることができ、講師は無理のない労働環境で多くの報酬を得ることができ、塾の経営者も多くの利益を得ることができます。このように生徒・講師・経営者という塾に関わる全ての人を幸せにすることができるのです。ならば、学習塾もビジネスの世界と同じように「最大限の成果を得るために、成果当たりのコストは最小化します」ということを堂々と宣言すれば良いのです。

がくまねの月謝は月5000円~6800円程度ですので、比較的リーズナブルだと言えます。ただし、がくまねでは丁寧な個別指導はしません。当サービスではあらゆる業務を可能な限り自動化することで、塾側の手間を必要最小限に抑えるようにしています。不親切だと思われるかもしれませんが、このようにすることが成果を最大化するための正しい道であると私は確信しています。

 

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