自分は何を目指しているのか?
学習のマネジメントを行うためには主体性が最も重要です。ですが、その主体性を身に付けるために見つめなおさなくてはならないことがあります。
それは、
自分は何を目指しているのか
ということです。なお、これは「七つの習慣」における第二の習慣に該当します。
学習塾に通うことの目的は何かと訊かれれば、生徒さんや保護者様は「成績を上げること」「大学に合格すること」であると答えるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?私はそうではない生徒さんや保護者様が非常に多いように感じます。
学習塾に子供を通わせている保護者様の心境は
「”子供を塾に通わせている”という事実から安心を得ること」
なのではないでしょうか?
また、塾に通う生徒さんは
「親を納得させること」
が学習塾に通う目的になってしまっているのではないでしょうか?
保護者の方々は”自分の安心”のために子供を塾に通わせ、子供は”親を納得させるため”に、何のために通っているのか分からない学習塾に通い、何のためにやっているのか分からない課題を塾の講師の言うままにこなしているという状況が日本中の学習塾で起こっているのではないかと私は考えています
古くから使われている言葉で言い換えるなら、これは
初心を忘れている
状態であると言えます。
初心を忘れ、本人が目指しているものが本来の目的とずれてしまうと、どうやっても成果は出なくなります。このようなことは、学習塾に限らず、あらゆる場所で起こっています。
例えば、ある会社でほとんど意味の無い報告会議やマンネリ化した作業などがあり、ある若手社員が先輩に「もっと効率の良い方法があるのに、何故従来のままなんですか?」「何故こんな無意味なことを続けるですか?」と質問すると、先輩社員は「社長がこの方法が良いと当時いっていたので、ずっとそのままでやってきた」と答えたというような話があります。
このケースでは社員が「業務効率を向上させ、高い成果を出す」という本来目指すべきことよりも「社長に言われたことに従うこと」や「違うことして怒られたくない」ということを優先して考えています。
社員が「なぜそれをしているか」を理解していない時点でこちらが期待する成果を得られるはずがありません。
特に組織においては、保身、責任回避、隠蔽、利権確保、派閥争いなど、所属する人員が本来の組織の目的とずれた方向を目指して必死になっているということは非常によく起こりますが、これは個人レベルでも起こりえます。
勉強においては、例えば学校や通常の学習塾において、多くの生徒は先生が教えたことや黒板に書かれたことをノートに書きます。しかし、そのノートを使って家で復習する生徒はどのくらいいるでしょうか。多くの場合、その場でノートに書くことだけで満足しています。
これは本来「理解すること」が目的でノートを取っているはずなのに、「ノートを取ること」が目的となってしまっているということです。これでは成果が出るはずがありません。
また、親にいわれるまま学習塾に通っている生徒が学習塾の指導に何か見落としがあることに気付いたとします。しかし、多くの生徒は知らぬふりをすることが多いのです。
何故なら、この生徒は”親を納得させるため”に学習塾に通っているのであり、“自分が通う学習塾の指導に見落としがあるかもしれない”など彼にとっては重要な関心事項ではないからです。
そして、その生徒は、もし試験結果がひどいものになれば
「言われたとおりにやったのに失敗したのは学習塾の指導がダメなせいだ」
「俺は最初からおかしいと思っていた」
などと言い訳に使うのです。
学習マネジメント塾では、結果に対する全ての責任は生徒さん自身にあるということをはっきりと自覚してもらい、その上で”自分が何のために勉強をしているのか”ということを徹底的に見つめなおすように指導します。生徒さん自身が”何故それをするのか?”を明確に理解することができれば、勉強の効果は一気に高まり、真剣に取り組むべきことと認識するからです。