以前、頭の回転の速さイコール頭の良さではないという記事を書きましたが、仮に頭が良くても、それだけで優秀な人という訳でも無いのです。学生であれば、テストで点数を取ることができる頭の良さイコール優秀さと見なされることもありますが、仕事ではそうはいきません。勉強と仕事において最も大きな違いがここにあると言って良いでしょう。

 

頭が良くても優秀でない人の特徴

仮に頭が良くても、その頭脳を使って成果を出すことができない人というのは結構多くいます。と言うよりも、頭が良いということは優秀な人の要素の一つでしかないのです。そのような人の特徴を以下に示しておきます。

 

責任感が無い

もう何度も書いていますが、誰かが何とかしてくれる」と考えたり、「俺のせいじゃない」と主張してばかりの無責任な人は能力以前にダメです。こういうタイプでも学生時代であれば親や教師から「このように勉強しなさい」と言われた通りに勉強して、ある程度良い成績を取ることができるケースもあります。

しかし、このような無責任な指示待ち人間は勉強は多少出来ても、自分で何かを判断して動くということが出来ないため、仕事では全くの役立たずになります。勉強はできても仕事は出来ない人がたまにいますが、無責任な指示待ち人間はその典型的なタイプだと言って良いでしょう。

 

決断力と行動力が無い

頭が良くても、決断力が無く行動できない人も結構います。「頭が良ければ正解が分かるはずだ。正解さえ分かればその通りに行動するだけなので簡単なのでは?」と思うかもしれませんが、話はそんなに単純ではありません。何故なら、実社会での問題には”100%確実な正解”というものはまず無いからです。頭が良い人でも分かるのは成功の確率が高いか低いかまでです。

世の中には、90%の成功率だと分かっていても行動できない人もいれば、50%の成功率でも行動できる人もいます。これは性格や心の強さの問題なので、頭の良さとは別のものです。決断力が無い人は成功率100%でなければ行動をしませんが、100%成功するものなど普通は無いので、このように考えていては永遠に行動できません。もちろん失敗した時のリスクも考慮しなくてはいけませんが、失敗してもちょっと恥をかく程度のリスクしかないのであれば、成功率が30%であろうと行動すべきでしょう。

また、行動しない人は、「行動することのリスク」を指摘することで、自分が行動しないことの理由付けをしようとしますが、実際には「行動しないことのリスク」も確実に存在しています。こういう人は一見もっともらしい言葉で行動しない方が賢明であるように言うのですが、要するに勇気が無いのです。これは俗に言う「意識高い系」の人に多く見られます。このような口だけで行動が伴わない人が成果を出せる日は永遠に来ません。

 

卑屈

私も何人か知っているのですが、話してみると博識で頭が良いにも関わらず、卑屈で自分で自分の可能性を見限っているためにダメになっている人もいます。このような人も能力以前にダメです。私が知る限り、卑屈な人に優秀な人は一人も居ませんでした。

と言うのも、卑屈な人は上記に挙げた責任感、決断力、行動力に欠ける傾向があるからです。卑屈な人は「どうせ俺なんて・・・」というような発言をしますが、私にはそのように考えることで自分が決断や行動をしないことの言い訳をしているようにしか見えません。また、そのようなマイナスオーラを放っている人と一緒に居ると自分まで気分が落ち込んでくるので、私は極力そのような人には近づかないようにしています。

 

 

仕事で様々な人と付き合っていると、「この人、頭は良いのに何でこんなに仕事が出来ないんだろう?」と思うことがたまにあります。そのような人は大抵上記のような特徴を持っていました。考えることは大切ですが、考え過ぎて行動できなくなるというのは頭の良い人が陥りがちな罠です。逆に行動力のある人は行動によって新たな情報や経験を得ることができるため、それによって頭の良さを補うこともできるのです(詳しくは、行動力のあるバカが勝つこともあるの記事を参照)。

私は最低限のリスクを考慮したら、まず行動してから考えることを意識しています。これは無鉄砲なのではなく、行動が0の状態から1の状態にするということで自分の中での行動のハードルを下げているのです(詳しくは、0と1の間には天と地ほどの差があるの記事を参照)。私の知る限り、優秀な人はとにかく行動が早いです。それは「じっくり検討してから決めよう」などと考えるのではなく、まず1だけでも良いので行動してから判断するという順序で動いているからでしょう。