私にも妻と子供がいますので、夫婦関係を良好に保つためにはどうすれ良いかということを考えることが多くあります。ここでは、私が考える夫婦関係を良好に保つために心がけるべきことを書いておきます。

 

大きなマイナス要因を無くす

まず、最初に考えなくてはならないことは、夫婦関係における大きなマイナス要因を無くすことです。ここでの大きなマイナス要因とは、浮気、身体的暴力、精神的暴力、貯金の使い込みなどです。

プラス要因が何個あっても、大きなマイナス要因を補うことはできません。逆に言えば、大きなマイナス要因が一つあると、他のプラス要因が全て無意味になってしまうのです。

例えば、どれほど大金持ちでイケメンの男性と結婚したとしても、何度も浮気をされたり、頻繁に殴られたりしていたら離婚したくなるのは当然です。また、どれほど絶世の美女であっても、自分を口汚く罵ってくるような女性とは別れたくなって当然です。

浮気・暴力・暴言・貯金の使い込みなどは夫婦関係を一瞬で破壊してしまうということは肝に銘じておくべきでしょう。

 

仕事、家事、子供への愛情だけで夫婦関係は維持できない

仕事をしない、家事をしない、育児放棄(ネグレクト)する、という行為が家庭や夫婦関係を崩壊させることはあります。しかし、仕事を頑張って大金を稼ぐ、家事を完璧にやる、子供を大切にする、家族サービスをする、といった行為だけで夫婦関係がうまく行く訳ではないのです。

実際、高所得の夫と家事を完璧にこなしている妻あっても夫婦関係が破綻することはありますし、子供をどれほど大事にしている夫婦であっても、離婚することはあります。つまり、仕事や家事をどれほど頑張っても、子供をどれだけ大切にしても夫婦関係を改善することには直接は作用しないのです。

ここを理解していないために、

・俺は仕事を頑張っているし、家族サービスもしているから、良い夫のはずだ
・私は家事は完璧にこなしているし、子供も大事にしているから、良い妻のはずだ

というような発想になってしまう夫婦が非常に多いのです。

このような発想になると、次に考えるのは「自分はこんなに良い夫(妻)なのに、自分を大事にしてくれない配偶者が悪い」です。お互いがこのように考え、夫婦関係を改善する努力を怠り続ければ、夫婦関係が破綻するのは当然です。

 

自分の要求を通すことを目的としない

夫婦間で話し合いをする際に気を付けなくてはならないのは、話し合いにおいて「自分の要求を通す」が目的になっていると夫婦関係は終わりに向かってしまうということです。

ビジネスでの交渉事や裁判の場であれば、「自分の要求を通す」が目的でも問題は無いでしょう。しかし、夫婦関係は裁判などと異なり、要求を通すだけでなく、配偶者と今後も良好な関係を維持しなくてはならないのです。もし、配偶者が強引かつ一方的に要求を押し通し、自分の側の要求を一切考慮してくれなかったら、今後その配偶者と良好な関係を維持することなどできるはずがありません。自分の要求を押し通したとしても、夫婦関係が破綻してしまっては元も子も無いのです。例えるなら、豪華客船の客室を強引に奪い取ったら、船そのものが沈んでしまったようなものです。

そのため、夫婦関係においては、まず「夫婦が仲良くする」ことを目指さなくてはなりません。そこを明確に意識できていれば「自分の要求を通しても、相手が満足しないのであれば意味が無い」ということに気づくことができるのです。そして、お互いにとって満足することができるような、いわゆるwin-winの関係を目指すことができます。

逆にお互いが「自分の要求を通す」ことだけに固執した場合、自分の要求を受け入れない相手側への嫌悪感がひたすら増大し、「こいつさえ居なければ」などという考えに至ってしまいます。末期状態では、「自分の要求を通す」ことどころか「相手の要求を通さない」が目的となってしまうことすらあります。例えば、離婚した夫婦の間で定期的に元配偶者に子供に面会させるという約束になっていた場合において、「どうやったら子供を元配偶者に会わせずに済むか」を必死に考えたりするのです。

 

相手が大切にしているものを大切にする

夫婦関係を大事にする上で特に重要なのは、”相手が大切にしているものを大切にする”ことです。この「大切なもの」には形のある物だけでなく、仕事、将来の夢、友人、実家家族、故郷などがあります。

男が妻や彼女から言われて一番嫌な言葉として「私と仕事とどっちが大事なの?」というものがあります。このように「私と○○のどっちが大切か?」という発想をする女性は男から敬遠されます。男には(女性はどうなのかは分かりませんので、このような書き方をします)、愛する女性以外にも大切なものがたくさんあるのです。そして男は自分にとって大切なものを愛する女性にも大切にして欲しいのです。それなのに「私と○○のどちらかを選べ」などと言ったら、捨てられるのはその女性の方です。

ネット上には夫の大事なものを勝手に捨てて離婚の危機になった妻の話が結構たくさんあります(男性は収集癖があり、女性は綺麗好きな人が多いので、そうなるのでしょう)。そういった女性が離婚を告げられると、「私より〇〇(捨てた物)の方が大事なの?」と考えるのかもしれませんが、そうではないのです。

配偶者の物を勝手に捨てるような行為は配偶者が飼っていた愛犬を殺すようなものなのです。犬の方が配偶者よりも大事などという理屈ではなく、”愛犬を殺すような人を愛することはできない”ということです。形のある物以外でも、配偶者が大切にしているものを傷つけたり貶めたりする行為は、「愛犬殺し」と同じ性質のものだということは認識しておいた方が良いでしょう。

では、ここで幾つか配偶者(特に夫)に対して絶対にやってはいけない最悪の行動を列挙しておきます。

 

最悪な行動1:配偶者の仕事を否定する

仕事というものは、特に男にとっては大切なものであるのと同時に、プライドを支えるものです。そのため、これを否定されるということは、存在意義まで否定されるようなものなのです。「大した仕事をしていない」とか「稼ぎが悪い」というようなことは思っていても絶対に言うべきではありません。

 

最悪な行動2:配偶者の将来を否定する

夫婦というのは将来を共にする関係です。そのため、配偶者の将来の夢や目標に対して「あなたにできる訳ない」「あなたにはどうせ無理」などという否定する発言をした時点で夫婦関係は終わりだと言って良いでしょう。特にこのような発言をする妻は男をダメにするので、一秒でも早く離婚すべきです。世間では配偶者の将来を貶めるような発言をする人が結構いますが、私はそのような発言をすることも、そのような発言をされながら婚姻関係を継続しようとすることも理解できません。

 

最悪な行動3:配偶者の実家家族の悪口を言う

悪口というものは赤の他人の悪口であっても聞かされると嫌な気分になるものですが、自分の両親や兄弟などへの悪口を聞かされることほど苦痛なことも無いでしょう。これは愛犬を目の前で虐待されるような行為であり、精神的なDVとも言えます。

もし、配偶者の実家家族にどうしても我慢できないところや直してほしいところがあるのであれば、印象で言うのではなく、できる限り客観的な事実を淡々と伝え、抗議してもらうように頼むか、自分だけ少し疎遠にしてもらうなどの対策を打つ必要はあるでしょう。しかし、中傷するような発言や侮辱するような発言は許されません。

また、配偶者の実家家族に不愉快なところがあったとしても、その怒りを配偶者にぶつけるということはするべきではありません。考えて頂きたいのですが、あなたは自分の親の言動をコントロールすることができるでしょうか?それは無理なことです。配偶者に配偶者実家家族の言動をコントロールする力など無いのですから、その責任まで配偶者に追及するのは酷というものです。

どうしても配偶者実家家族の愚痴を言いたければ、無関係な友人にでも話して発散するべきでしょう。

 

最悪な行動4:配偶者の故郷や実家の風習を否定する

古くからの伝統文化や風習を大事にしている地方はまだ残っています。それを「古臭い」「馬鹿馬鹿しい」「下らない」などと否定してはいけません。配偶者が子供の頃からその風習に馴染んで育っていた場合、その伝統や風習を貶めることは、配偶者の子供の頃の思い出まで貶める行為です。

これは、お墓参り、法事、お盆での先祖のお迎え、親戚を招いての新年会などの行事も同様です。ただし、自分側の実家家族の行事と日程が被ることもあるかもしれませんので、お互いに譲り合うことも大切ですが、否定するような発言はしてはいけません。

 

最悪な行動5:配偶者の友人の悪口を言う

人は時に友人の存在が恋人よりも大事なことがあります。恋人が親友の悪口を言ったから別れたという話は珍しくもありませんし、新郎が結婚式で新婦の親友を侮辱したという理由でその場で結婚式を中止し、離婚を宣言した女性の話も聞いたことがあります。

友人への悪口は、実家家族への悪口と同様に愛犬殺しと同じような苦しみを相手に与えているのだということは肝に銘じるべきでしょう。

 

 

夫婦という関係に胡坐をかかない

「○○さんは奥さんを大事にしている」とか「○○さんのところの奥さんはいつも夫を立てている」と言って配偶者を責める人がよく居ます。このようなことを言う人は、「もっと夫(妻)である自分を大切にしろ!」と言いたいのかもしれませんが、この「夫だから」「妻だから」という発想自体が既に傲慢であり、夫婦という関係に胡坐をかいた考え方だと言えます。

妻だから大事にするのでも夫だから大事にするのでもありません。大事な人だから大事にするのです。そのため、自分が配偶者にとって”大事な人”になれているかを常に自問自答しなくてはなりません。

自分が普段配偶者に対して全く愛情を示さず、配偶者の大切なものを貶めるような行為ばかりしているのに「自分は夫(妻)なのだから、もっと大事にしろ!」と求めても通るはずがありません。ですが、夫婦という関係に甘えて自分を客観的に見れなくなると、何故かこれを忘れる人もいるようです。

 

 

感謝と敬意を忘れず、相手のために何ができるかをお互いに考える

これまで書いてきたことは、全て配偶者への感謝と敬意を忘れなければ、自然とできることです。配偶者に対する感謝と敬意を忘れず、「相手の望むことを叶えてあげよう」とか「相手のために自分は何ができるか」という気持ちをお互いに持っていれば、夫婦間の愛情はより深まっていくことでしょう。

ただし、ここでポイントになるのは、お互いにという点です。夫婦関係というものは”二人乗りの人力飛行機”のようなものです。片方がサボれば、もう片方がどれほど必死に頑張っても破綻は避けられません。

お互いが「相手のために自分は何ができるか」を考えれば、夫婦間の愛情はより深まっていくでしょう。

お互いが「相手は自分のために何をしてくれるのか?」しか考えなければ、スピード離婚になるでしょう。

そして、片方が「相手のために自分は何ができるか」ということを考えて、もう片方は「相手は自分のために何をしてくれるのか?」しか考えなければ、一方的な愛情の搾取が行われます。そうなれば、最終的に迎えるのは熟年離婚です。

いずれにせよ、確実に言えるのは、配偶者に対して「自分のために何をしてくれるのか?」しか考えていない人はどうやっても不幸になるということです。