ポジティブシンキングであるということは、基本良い事です。ポジティブシンキングの方がつまらないことにクヨクヨせずに済みますし、決断力や行動力を持つことができます。そのため、私もポジティブシンキングであろうと心がけています。ですが、ポジティブシンキングも行き過ぎれば、最低限のリスク管理が出来なくなってしまいます。そのため、不安であり続けるの記事でも書いたように、人は基本ポジティブな考えを持っていても、同時にリスクに備えるための不安な気持ちも持ち続ける必要があるのです。

 

ノンスタイル井上さんの不祥事

以前、お笑い芸人ノンスタイルの井上さんがタクシーへの当て逃げで謹慎をさせられたことがありました。ノンスタ井上さんはポジティブシンキングでナルシストなキャラで売れている芸人ですが、私はこの出来事はまさにポジティブシンキングゆえの罠にはまってしまった事例だと思いました。

ポジティブシンキングな人は普通の人なら躊躇してしまうようなことであっても「きっと大丈夫」と考えて、行動することができます。それは通常良いことなのですが、常に「きっと大丈夫」と考えていると、致命的な事態に陥ることがあります。

恐らく、ノンスタ井上さんはタクシーにぶつけてしまった時に「あれ、今ぶつかったかな?まぁきっと大丈夫だろう。」と軽く考えてしまったのでしょう。しかし、ここは「きっと大丈夫」とは考えてはいけないところだったのです。何故なら、もし大丈夫ではなかった時に”当て逃げ”という罪になり、仕事にも多大な影響が出るというリスクがあったからです。

“ポジティブである”ということと”リスクに備える”ということは全く別のものなのです。ノンスタ井上さんの失敗は、そこを理解できていなかったために起こったことだと推測できます。

 

最悪の事態を想定し、対応可能であれば行動する

結局、ポジティブシンキングでいれば良いのか、リスクについて考えれば良いのか、どっちなんだと思われるでしょうが、私の考える正解とは「最悪の事態を想定し、それに対応可能であればポジティブに行動する」というものです。

例えば、ノンスタ井上さんは「折りたたみ傘を持ち歩いたことが無い」と言っていました。実は私も折りたたみ傘を持ったことが無いのです。それは「最悪雨が降っても何とかなる」と考えているからです。雨の時に傘が無くても、ちょっと濡れる程度ですし、最悪でも風邪をひく程度でしょう。その程度のリスクであれば許容できると考えているから、リスクを無視することができるのです。

仕事においても、何か行動を起こそうとした時に「恥をかかないかな」とか「叱られないかな」と考えて躊躇してしまうことはあります。しかし、ちょっと恥をかくとかちょっと叱られるとか、その程度のリスクだったら許容して突き進んだ方が良い場合が多いのです。

しかし、自分の人生に多大な影響を与えるようなリスクにはきちんと備えなくてはなりません。例えば、車の保険などがそうです。交通事故で億単位の賠償金を支払うことになった時に保険に入っていなければ、人生を棒に振ることになってしまいます。だから私も車の保険はきちんとしたものに加入しています。

 

つまり、リスクコントロールの観点で考えるということです。許容可能なリスクであれば受け入れて突き進み、許容できないような大きなリスクにはきちんと対処するという考え方を持つ必要があります。つまらないリスクを大きく考えすぎて行動できなくなることも良くないですが、大きなリスクを軽視して無鉄砲に突き進むのも危険です。そこをきちんと理解した上で”ポジティブシンキング”と”リスクへの備え”のバランスを考えて行動することが重要と言えます。