ストックとフローという考え方を聞いたことがあるでしょうか、これは主に経済学における考え方であり、貯蓄など現在持っているものがストックで、定期的な収入など継続的に手に入れるものをフローに該当します。このストックとフローの考え方は仕事や勉強においても応用できます。

 

お金や仕事におけるストックとフロー

仮に貯金が5000万円あったとします。それだけ貯金(ストック)があれば十分だと思われるかもしれませんが、無職で全く収入(フロー)がなかったらどうでしょうか?手取り500万円程度の生活をしていても10年、手取り250万円の生活をしていても20年でそのお金は尽きてしまいます。つまりストックとしてのお金はどれだけあっても、これから先ずっと豊かな生活を保証してくれるものではないのです。

宝くじで何億円もの金を手に入れた人間が散財して破滅してしまうというのはよく聞くことですが、これはストックとフローの考え方ができていないが為に起こってしまったことだと考えられます。

逆に言えば、お金持ちは、ここをよく理解している人が多いのです。だからこそ貯金(ストック)が何億円あろうと、仕事での収入(フロー)を増やそうとしますし、ストックとしてのお金を株や不動産などに投資することで運用利益というフローを得ようとします。

 

仕事において高い地位にいる人は過去の実績という多くのストックによって、その地位を得てきたと言えます。しかし、もしその人に既に高い実績を出すだけの実力は無く、過去の栄光というストックだけで現在の地位を維持していたらどうなるでしょうか?

その人が経営者であった場合、古い戦略に固執して会社の経営を危うくすることも考えられますし、企業の重役であってもポストを奪われたり、リストラされることによって地位を失うこともありえるでしょう。そのため、過去の栄光のような実績のストックを捨て去る覚悟で新しいものを身に付けていき、現在の成果(フロー)を少しずつでも多く得るための努力をし続けることが重要になるのです。

 

 

勉強におけるストックとフロー

このストックとフローの考え方は勉強にも応用できます。

話を分かり易くするために勉強量を数値化できると仮定し、志望大学に合格するのに10000の勉強量が必要だったとします。その場合、毎日10の勉強量で3年間毎日勉強し続ければ到達することができます。また、高校入学時点で5000の勉強量を既に持っていたとしても、毎日の勉強が2しかなかった場合、大学受験までに必要な勉強量に到達しません。だからこそ、勉強は継続により毎日のフローを生み出すことが何より重要なのです。

更に、受験の問題の傾向が大幅に変わるようなことがあった場合どうなるでしょうか?その場合、それまでの勉強によって溜め込んできた勉強量よりも今現在毎日の勉強をしてる方が、融通が利きます。一度に勉強量(ストック)を貯め込もうという発想も決して悪くはありませんが、毎日のフローはそれよりも重視されるべきものです。例えば、夏休みに何十時間も一気に勉強するのも良いですが、毎日の勉強時間を5分でも10分でも長く確保したり、より良い勉強法を取り入れることで学習効率を向上させる方がより重要なのです。

また、フローを重視する方が学習効率の面でも理にかなっています。人間の脳は1度に長時間集中するよりも時間をかけて繰り返し勉強する方が記憶が定着しやすいのです。例えばコマーシャルのフレーズなどは集中して覚えようとしなくてもいつの間にか覚えてしまうことがありますが、それは時間をおいて何度も聞いているからです。

 

学習マネジメント塾でのストックとフローに対する考え方

通常の学習塾では、塾にいる間により効率の良い授業をしたり課題をさせることによって勉強のストックを貯め込もうとします。学習マネジメント塾でもストックを軽視はしませんが、生徒の普段の生活を改善し、毎日の学習時間の確保や学習効率の向上を実現できるような仕組み作りに注力しています。つまり、ストックよりもフローを重視した指導を行います。

このような日々の生活というプロセスを改善する方がより効率の良い学習ができます。例えば、週に2回90分程度塾で授業を聞くよりも、毎日30分集中して勉強できるようにする方が繰り返しの効果によって効率が良い上に、はるかに伸びしろがあります。何故なら、毎日30分集中して勉強ができるようになれば、それを1時間、2時間と伸ばしていくことができるからです。

学習マネジメント塾では、マネジメントのノウハウを用いて勉強のプロセスを改善することにより、フローを高めることを重視します。このフローを高めるためにプロセスを改善するノウハウを覚えることができれば、勉強だけではなく、社会人になって仕事をする際にも大いに役に立つでしょう。